マニア
どの界隈にも「マニア」と呼ばれし卓越した知識を持つ方がおられます。
「鉄道マニア」「切手マニア」「文房具マニア」に「イルマニア」…あ~い!(すみません(;'∀')
と、どんなことも突き詰めて習得するってかっこいいですよね。
今後、なにかを「マニア」と呼ばれるほどに極めるとしたら、「漫画マニア」なんて目指してみたいものです。
これまでほとんど漫画を通らず育ってしまったもので、会話に入れないこともしばしば。ここだけは唯一、両親の教育方針に不満をもっているところです。
大学時代に、「刃牙」と「ヒカルの碁」だけ履修しましたが、他に知っているのは「MAJOR」「ROOKIES」「ドカベン」の野球ものくらいです。
※この作品たちだけで私の世代を当てるのはかなり困難では…??
先日、クラスの打ち上げで、お茶の間に流れていたアニメの話題から「ヒカルの碁」の話に。
1つの漫画についてわいわい語り合うのってこんなにも楽しいんですね……。
やっぱ北斗杯編はみんなスッキリしてないのね(笑)←こうゆう気持ちを共有できたのに感動…あと5Lくらい飲んでたら泣いてた。
ところで、法律、とりわけ司法試験受験生界隈でいえば、「基本書マニア」なんて呼称があったりします。
”基本書マニアは受からない”なんてゆわれることがあるとかないとか、
若干の嫌味を含んでいるようにも感じますが、基本書を読む目的が、”司法試験”ではなく、”基本書を読む”になってしまっては、合格からは遠ざかってしまうのかも知れませんね。
さて、今回は「後編」ということで、「前編」がまだの方は、ぜひそちらを先にご覧ください(本文中、青色になっている部分をクリックするとリンク先に飛べます)。
【本日のお品書き】
後編
「前編」でも述べたとおり、「後編」では、各履修科目について、怒られなさそうな範囲で紹介していきます。
ついでに、1年次の私の「基本書」たちを、使用感とともに記しておきます。
「基本書」の定義がよくわからないので、最広義に予備校教材を除く法律についての書籍すべてとします(行政の定義みたい)。
講義での指定教科書と私の使用教材とで分けておきますので、参考にしてみてください。
弊ローの令和6年度の担当教員はかなり変わっていると思います。
科目ごとの雰囲気を知るもよし、先生の雰囲気も知るもよし、入学前になんとなくでも心構え?気持ちづくりしとくといいかもしれませんね!
ほな、レッツラゴー!!(古い)
前期
基礎科目
・民法 総則 YK先生
指定教材:ストゥディア 総則
使用教材:ストゥディア 総則,ロープラ総則物権
1年次、最重量級ソクラテスの使い手でした。
ソク順は1周すれば法則がリセットされるので、なんとなくわかりそうなところで初めからです。
…そう、まさにエニグマなのです。
実は最終回にタネ明かしがあるのですが、結構シンプルなルールでできていて、拍子抜けしました(笑)
映画ではたしか、パブかどっかで閃いてましたね!
1番好きな映画なので、気分転換にぜひ観てみてください。
受験生界隈で「閃いた」はご法度ですが…。
講義の予復習としては、ストゥディアで十分でした。
講義内容との互換性がバッチリなので、予復習のとき、ストゥディアを軸に肉付けできたと思います。
ロープラは、代理を中心に解きました。全く知らない論点が論文にでてもイヤなので、講義でほとんど扱っていない分野も解説だけは読むようにしました。
後期に自主ゼミで取り組みましたが、いい復習になりました。
ただ、模範解答がないので個人学習には向かないように思います。ネットに転がっている正しそうな答案を見たり、BEXAが販売している模範答案などを見るのもいいかもしれません。
・民法 物権 NGN先生
指定教材:LQ物権
使用教材:同上
ソクラテス形式ですが、質問の誘導が優しいうえに、無茶苦茶な回答をしても、あり得ないくらい拡大解釈して受け取ってくださいます。
自分なりに解答を用意して講義に挑めば足ります。ソクラテスは席順でした。
レジュメと講義スライドが神です。
スライドは接続詞を補えば、そのまま答案になるレベルにまとまっており、なおかつ要件事実ベースで進むので、2年次以降との兼ね合いでもいい講義でした。
弊ローでは伝統的に要件事実で起案するように指導されます。
1年次は論点ベースでも点数をもらえますが、頭の片隅には置いておいた方がいいと思います。
私は各回、5時間~10時間ほど予習にかかっていたと思います。(LQ読む時間も含めて)
LQですが、予習時に気になる箇所をつまみながら読んでいました。
書いていないところは、補助的に安永物権を読んでいました。KULINEでも読めるので購入しませんでしたが、2年次で使用頻度が上がれば購入を考えています。
・民法 親族・相続 KMR先生
指定教材:LQ親族・相続
使用教材:同上
一方的な講義形式で、ソクラテスはありませんでした。
予習はLQの該当箇所を読む程度でした。こちらは、予習というより復習ベースになるかと思います。
現在はストゥディアが刊行されているので、そちらをはじめの1冊にするのもいいかもしれません。
・憲法 人権 DI先生
指定教材:日本国憲法論
5人1組くらいで班分けがされ、各回ソクラテスの担当があります。およそ2回はソクラテス担当が回ってきます。
予習は、一行問題形式です。
ソクラテスの内容が質問そのままなので、担当回だけ、派生したソクラテスに対応できるよう念入りに調べれば、最低限は大丈夫です。
復習課題として、事例問題の答案を班分けされた復習グループで提出しなければならないのが、1度回ってきます。手厚い添削がされ返却されます。
指定教材は、なくても普段の予習には困りませんでしたし、自習室の書庫にあるので、適宜参照していました。
令和5年度の期末試験で、「日本国憲法論」未購入者ホイホイ問題が出たので、購入しないにしても、試験前に目を通しておくほうが良いと思います。
ほとんどの人が書けてないので、書ければ相対的に浮くという感じでした。
基本的には、NBSで全体像を見てから、基本憲法や射程本で整理するようにしていました。ですが、これらでは、判例学習がまだまだ足りないと感じました。
・刑事訴訟法 HRE先生
指定教材:LQ
講義は一方的に喋り続ける形式で、ソクラテスはありません。
レジュメがLQの行間を埋めてくれるので、非常に親和性が高いです。
スピードはおそらく1年間の履修科目で1番早かったです。
特段の予習の必要性はありませんが、講義範囲のLQないしストゥディアを一読して各回を受けるほうがいいと思います。
そこそこ学習が進んでいて自信がある方でないと、あのスピードで理解するのは困難だと思います。
講義後に個別で質問にいくと、親切に対応してくださいます。
基本刑訴は、まとめるときに図を参照していました。
見やすく分かりやすい図になっているので、オススメです。
・刑法総論 TKYM先生
指定教材:たのしい刑法
応用刑法のおかげで、かなり解像度あがったのかなと思うところです。
基本刑法でおおよその流れみたいなのは掴めたつもりになったから、2年次で少しずつ補正していけたらと思います。
さすがに来年度は井田本を読みます…。
司法試験では学説対立が出題されるので、その点で有意義な時間になりました。
選択科目Ⅰ
・伝統中国の法と裁判(伝中)
中国史。
試験は持込不可ですが、落単者はほとんど出ません。
後期
基礎科目
・民法 債権総論 NSUC先生
指定教材:ストゥディア,潮見プラ or 中田債権
使用教材:潮見プラ
無限に続く穴埋め問題の予習地獄でしたが、その予習内容がそのままソクラテス内容なので、ソクラテスの負担自体は軽いです。
名前順でのソクラテスでした。
予習自体は、潮見プラと中田債権総論で対処でき、該当箇所をヒントとして与えられているので、ひたすらに処理するだけのものですが、各回5,6時間はかかっていたと思います。
終盤は“先輩ノート”に甘んじたので、ざっくり該当範囲の潮見プラ等を読んでました。
・民法 債権各論 KMR先生
使用教材:同上
復習ベースの講義スタイルなので、予習は潮見イエローの該当箇所を読んでくる程度です。
復習として解いてくる事例問題がソクラテスの題材です。1回で3人程度当たります。
不当利得は類型論を採り、不法行為法は相当因果関係説ではなく保護範囲説を採るので要注意です。(おそらく予備校本とは異なる立場になります。)
講義後の質疑応答では、お昼の時間を超えても対応してくださいます。
個別に対応してくださるときには、(聞き方を間違えなければ)かなり踏み込んでご指導くださいます。
潮見イエローは、ただ通読しても頭に入ってきませんでしたが、講義も相まって、不当利得はかなり違う景色の見え方になりました。
こちらも講義のスピードが早いので、ストゥディアないし潮見イエローに目を通しておくのがいいと思います。
・商法 SITU先生
指定教材:神田会社法
講義は1人1回必ず当たりますが、挨拶程度の会話なので、特に心配いりませんでした。
レジュメがスカスカなので、講義は速記で行間を埋めるのに必死でした。
講義後には、イイ感じにまとまったノートの完成です!
百選についてよく質問しにいってましたが、丁寧に対応してくださり、分かるまで掘り下げてくださいます。
たまに逆問答にあい、授業中より鋭いソクが飛んでくることもあります。ライフで受けましょう。
紅白本は、かなり柔らかい日本語でまとまっている印象で、なじみやすかったです。
付箋をペタペタ貼りながら、まとめノート化させてました。
講義で出てきた判例を百選で潰していました。
だいたい8割がたの判例には当たれたかなと思います。
・民事訴訟法 YK先生
指定教材:LQ
講義は、LQをひたすら叩いて、正しい定義,用語法をマスターするというものです。
判例学習が一切ないので、自分でどうにかするほかありません。
その点、予習のソク準備段階から和田本を使っていたので、ついでに判例もチラっと見れたのは良かったです。
夏休みにストゥディアを通読しておいたので、全体像を軽くさらえたかなと思います。
ですが、あまりまとまりが良くなく、個人的には、和田本だけでよかった気がします。民事訴訟法に触れたことがなく、短時間でとりあえず一周見ておきたい人にだけオススメします。
・憲法 統治 MUR先生
指定教材:LQ
使用教材:LQ
LQ読んでおけばどうとでもなります。
それ以上でも、以下でもないです。
・行政法 SD先生
指定教材:基本行政法ほか
神講義です。ソクラテスはありません。
徹底的に試験対策的な講義をしてくださいます。
なにより、レジュメがもはや参考書レベルの仕上がりで、演習編と合わせて、これを深くやるだけで定期試験はバッチリです。
質問対応も手厚く、とことん寄り添って教えてくださいます。
サクハシの方が目に優しく感じるので、サクハシをよく読んでいました。
精読行政法判例は、判旨の横に判例の構造がまとめられているので、講義で扱った判例については見に行ってました。
百選2冊買うくらいなら、こっちの方がええやろという感想。
・刑法各論 TKYM先生
指定教材:たのしい刑法
使用教材:基本刑法Ⅱ
共犯論が沼なので、夏休みに予習しておくといいと思います。
財産犯までしか終わってないって話する?(笑)
選択科目Ⅰ
・近代日本の社会変動と法1(近ジャパ)
近代の日本史。
持ち込み可(紙のみ)の試験でした。
私は持ち込み可の仕組みに不慣れで講義メモとレジュメしか持ち込んでないのですが、中には辞書や労働法,家族法の教科書を持ち込んでいる方もおられました。
未修と既修で問題が異なるので、未修1年次に履修することをオススメします。他の選択科目は既修と張り合わなければならないので…。
出席確認はありませんでしたが、試験時に密告制度があります。
チクリとされないようにしましょう…。
・都市地域計画
まじで行政法。
行政法(特に建築許可や土地区画整理事業)の個別法理解が深まりました。
問題は、法律論から3題,政策論から3題。そこから2題自由に選択して論述するものでした。
公共政策大学院も同じ講義を受けているので、政策論もありますが、ロー生でも政策のみを2題選択することもできます。
行政法と同じ日に試験があったので、親和性が高く、試験直前の空きコマだけ勉強すれば足ります。
通年科目
法律基礎科目演習
事例問題の起案とその講評を受けます。
起案したものは、弁護士の先生に添削していただけます。あたった先生の熱量によって添削にバラつきがあるので、あんまり成績評価自体を気にする必要もないのかなと思います。
合格答案か不合格答案しかなく、一応、A+〜Dの成績評価はつきますが、あくまで参考程度だそうです。
過半数で合格答案を作成し、出席回数に問題がなければ単位はあります。
刑法2回(総論,各論),民法2回(総則,債権総論),憲法2回(人権,統治)(令和6年度は統治でなく行政法になるはず),商法1回でした。
おわりに
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。
ご不明点などありましたら、お気軽にDMやコメントください。
「未修」は、内外野からいろいろ言われることも多いかと思いますが、気にしてたら負けです。
もし弊ロー未修に入学予定の方が読んでくださっていれば、春にお会いできることを楽しみにしております。
その他の方も、VMGおつかれ!と思ってくだされば、飲みに誘ってください。
さてさて、私もそろそろ勉強に戻ります。
貴重な休憩時間を使ってくださり、ありがとうございました。
それではみなさん、ごきげんよう さようなら